金沢徒然その2・・・加 賀 野 菜 ?
加賀野菜・・・

 金沢に永く住んでいていつも不思議に思うのは金沢の名物料理っていったい何なの だう。10人の金沢人に聞けばきっと10通りの答えが返ってくるような気がする。 まして加賀料理と来れば、じぶ煮、かぶら寿し、鮴に泥鰌の蒲焼きと、きっときりが ない。金沢の味といえば、まずは恵まれた海の幸。冬の味覚としてずわい蟹や寒ブ リ、鱈に甘海老。夏の味覚は能登の岩ガキに赤イカと豊富な海の幸はきりがない。で も金沢の洗練された味覚は、これらの主役たちだけで成り立つものではありません。 鰤大根や鏑ずし。これらはみな金沢特産の源助大根や金沢青カブといった、絶妙のバ イプレイヤーがあって、初めて成り立つものです。小坂蓮根を使った蓮蒸しがあり、 五郎島甘藷のデザートがあり初めて加賀料理が成り立つのです。これらの加賀伝統野 菜こそ長い年月をかけて金沢が培ってきた、加賀の味覚と呼べるものなのです。自然 の与えてくれた海の幸や山の幸。これらの恵みをより引き立たせる野菜達こそ、金沢 の育んできた味覚と呼べるのではないでしょうか。特に初夏から秋にかけては、金時 草や太キュウリ、つる豆に長茄子、小立野茄子といった野菜達が主役に踊り出る季節 です。これらの味が四季折々に織りなすハーモニーが金沢の味です。近江町市場に集 まる旬の素材が、各家庭のテーブルを彩るように雪椿のダイニングも四季を盛り込ん だメニューを心がけています。四季折々の加賀野菜が、魚達のように目立ちはしない けれど、しっかりと季節の移ろい感じさせてくれます。